2012年12月31日月曜日

中国経済のたそがれ:貿易総額が目標の10%を大きく下回る約6%

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●29日、商務部国際貿易交渉代表兼副部長の高虎誠氏は「貿易の成長は困難と挑戦に直面している。最悪の事態に備え、最良の結果を勝ち取る必要があることを自覚しなければならない」とコメントした。中国新聞網が伝えた。写真は北京で販売される輸出向け商品。

 
 中国の経済成長は鈍化してきている。
 これはヨーロッパの不況の影響もあるが、国内的な問題が多い。
 賃金の高騰によって、周辺諸国と差が出始めたからである。
 中国の貿易の38%は中国のものでるが、残る62%は外資である。
 つまり、中国の貿易の6割は外資によって支えられている。

 その外資が高賃金を嫌って、中国を脱出し始めた。
 中国当局は、生産インフラは中国は周辺諸国より整備されているので、脱中国は急速には進まない、
としている。
 周辺諸国が中国と同じような生産環境を整えられるとは考えられない、というわけである
 果たしてそうであろうか。
 当初、中国も生産環境は悪かったはずである。
 それがいまや世界の工場にまでなった。
 とすれば、後を追う諸国が中国並にはならずとも、それに近い形で発展してくることは確かであろう。
 実際、中国企業すらも国内の賃金高騰に嫌気がさして周辺諸国へ工場を移転し始めているという。
 水は高いところから低いところへ流れる。
 今、努力を積み重ねて中国は突出して高い山となったが、
 「資本の言う名の水」は徐々に周辺に流れ出し、その高さは減じていく。
 そういう、過程に入りつつある。
 イニシャル・コストはかけ立派に作ったが、それを維持するランニンング・コストのかけかたがわからない、といった状態にある。
 「資本と言うな名の水を食い止める」方法がわからないでいる。

 ために、中国は景気鈍化を懸念して、お金のバラマキに入った。
 いわゆる、財政投融資である。
 このまま鈍化を放置すると、失業を始めとする社会不安が増大する。
 民主国家なら問題は国家レベルまでは進まない。
 だが、共産党独裁という「蓋閉め国家」だと圧力容器に予想以上の負荷がかかる。
 これを抑えるためにか、とりあえず金をバラまいて宥める方向で行こうということである。
 しかし、それは内需を喚起する要因にはなりにくい。
 「外資が6割を占める、外需依存国である中国」
では、貿易の現象はてひどい打撃になる。
 いつもてっとり早く期待できる日本企業は、尖閣問題以降中国進出を見合わせている。
 というよりも、相当なスピードで中国からの撤退を行なわれているという。
 また、日本人の中国指向も弱まっている。
 この正月休みの海外旅行は相変わらず記録更新であるが、
 中国向けのみ「85%ダウン」
となっている、という。
 もはや、中国は日本人にとって目を向ける対象ではなくなりつつある。
 中国は今がピークで数年後は相当な落ち込みが予想されているとも言われている。


レコードチャイナ 配信日時:2012年12月31日 7時59分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=68044&type=0

予断を許さない13年の貿易情勢「最悪の事態に備えよ」
=2012年の貿易総額は目標下回る「6%」―中国メディア

 2012年12月29日、
 「貿易の成長は困難と挑戦に直面している。
 最悪の事態に備え、最良の結果を勝ち取る必要があることを自覚しなければならない」
 商務部国際貿易交渉代表兼副部長の高虎誠(ガオ・フーチョン)氏はこうコメントした。
 中国新聞網が伝えた。

 輸出入の鍵となる世界経済の情勢を考えれば、この発言は決して脅しではないことがわかる。
 米国経済はやや改善し、欧州の債務危機が若干の緩和を見せたものの、世界経済復活への道のりは遠い。

 これを受けて保護貿易主義の動きが強まり、国際経済が分断の危機にさらされている。
 米国をはじめとする数カ国はドーハ・ラウンドに消極的になっており、TPPなど自国に有利な貿易ルールの制定を積極的に推し進め、新興国の後発者の有利性を削ごうとしている。
 また、中国と近隣国との主権や海洋権益をめぐる争いが激化を続け、経済協力や地域における経済的融合に打撃を与えかねない状況にある。

 全国商務工作会議で、陳徳銘(チェン・ダーミン)商務部長は、
 「短期的に貿易の低成長局面を変えていくことは難しい」
と述べた。
 中央からは来年の貿易総額を8%とするよう指示が出ているが、
 今年の貿易総額が目標の10%を大きく下回る約6%となっている中、
 達成には相当な困難が伴うことが予想されている。

 政府は、国際市場が低迷する中、国内市場の潜在力を掘り起こす必要があり、輸出の安定が最重要の任務であることを認識している。
 通関の簡素化、関税の還付範囲の拡大等のシステム化が当面の急務とされている。

 また、自由貿易協定戦略の加速も、大きな注目を集めている。
 中韓FTP、日中韓FTPに、ASEAN+6カ国の自由貿易協定交渉が、来年の大きな見所となる。

 深刻化を続ける貿易摩擦も、中国高官の知恵が試されている。
 陳部長は、
 「貿易摩擦に関しては柔軟かつ主体的な対処が必要だ。
 先進国に対して、果敢に戦いつつ、妥協点を見出す必要があり、新興市場国に対しては具体的な問題の分析を行い、対話によって問題の解決を図りたい」
と述べた。




レコードチャイナ 配信日時:2012年12月30日 10時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=68019&type=0

中国経済、「負債成長」に突入―中国メディア



●28日、中国経済が「負債成長」に突入している。写真は黒竜江省の高速道路。



 2012年12月28日、2008年の米国サブプライム危機の発生後、中国は大規模な投資計画を推進し、地方政府の債務水準が大幅に上昇した。
 今年 1-10月、地方融資プラットフォームの地方債発行規模は約6000億元(約8兆円)に達し、昨年通年の約1500億元(約2兆円)を上回った。
 これは政府の債務水準が急速に上昇し続けていることを示す。
 中国経済の成長が今後どのようにモデルチェンジするかはさておき、負債に依存する成長というすう勢がほぼ形成されたようだ。
 経済参考報が伝えた。

 都市化による内需刺激、経済成長のけん引が期待されている。
 都市部住民の生活水準向上を主題とする都市化は確かに、消費と投資をけん引することができるだろう。
 しかしその前提条件は、政府による大規模な借金だ。
 現在の都市化は30年前の都市化と異なり、生活水準の向上、現地人と他省出身者の収入格差の縮小を目的としている。
 これは大量の資金を必要とする都市化だ。
 かつての都市化は工業化による結果であり、農村部の安価な労働力が都市部に流れ込み、企業に莫大な利益をもたらすと同時に、政府の収入を増やした。
 これは大量の資金を生む都市化だ。
 かつての都市化により農民が都市部の貧民と化したが、現在の都市化は借金返済を目的とするものだ。
 今後の都市化推進の進度は、各地方政府の債務管理能力によって決まる。
 しかし高齢化および経済成長率の低下に伴い、今後の財政支出の増加率は財政収入の増加率を大きく上回ることになり、この不足分をより大規模な借金により補わなければならない。

 今年1-11月の企業債発行総額は、前年同期比191.9%増の5713億5300万元(約7兆7000億円)に達した。
 これは地方の都市建設投資公司、地方国有資産投資経営公司などが中心になって発行したものだ。
 借金の規模が倍増しているが、これは満期を迎えた債務を返済するためで、政府投資プロジェクトの資金を追加するためでもある。
 政府の公共商品・サービスの提供に必要な資金は、今後年を追うごとに増加するだろう。

 ラテンアメリカ諸国は1970年代に「赤字財政・負債成長」戦略を実施し、当時の世界経済の衰退を乗り切った。
 しかし赤字財政により、ラテンアメリカ諸国は債務危機に陥り、同地域の1981-1990年のGDP年間平均成長率は1.0%のみに、1人当たりGDP成長率はマイナス1.0%のみになり、
 「中所得の罠」
に陥った。
 中国も今後、赤字財政政策を実施することは間違いないが、これはやむを得ないことだ。
 しかしラテンアメリカ諸国と比べ、中国には長所とメリットが存在する。

(1)中国の今後の債務増加は日本と同様に、内債が圧倒的比率を占める。
 中国は外貨準備高が世界一の国であり、外部からの影響を受けにくく、危機が発生する可能性は低い。

(2)中国は過去30数年間にわたり工業の基礎固めを行い、世界的な競争力をつけ、輸出額が世界一となった
 これはラテンアメリカ諸国の輸入代替方式とは比べられないものだ。
 後者はかつて、貿易赤字と巨額の外債が毎年続き、最終的に金融危機を発生させた。

(3)中国政府の資産負債表の品質はラテンアメリカを大きく上回っている。
 国有企業の規模を見るならば、政府の受ける「株主配当」は15兆元(約202兆円)を超える(2008年のデータ)。
 これには土地・鉱産物・森林などの国有資源は含まれない。

(4)中国人は世界でも稀に見るほど勤勉な国民であるが、これは労働生産性の向上にとって非常に重要である。
 今後の産業モデルチェンジの過程において、労働生産性を向上させる余地が残されている。
 ラテンアメリカ諸国はかつての産業モデルチェンジにおいて、労働生産性を低下させた。

 上記した通り、
 中国経済の負債成長は避けられないが、過度に懸念する必要はない。
 当然ながら、収益率をいかに高めるべきかは、発展の戦略・方式・手段を選択する上で最も重要な指標となる。
 国家は規模化経済を実現し、企業は労働生産性を高め、国民サービスは公共サービス商品の効果を最大限に高める必要がある。
 
 このような経済のモデルチェンジを実現する前提条件として、
 政府の機能もモデルチェンジさせる必要がある。

(提供/人民網日本語版・翻訳 /YF・編集/TF)


 「中所得の罠」に陥らないためには
①.経済のモデルチェンジを実現する
②.その前提条件として政府機能のモデルチェンジを実現する
 ということであるが、果たしてこの
 「政府機能のモデルチェンジ」
が実行可能であろうか。
 権益にドップリと浸かって、汚職でふところを肥やす政府官僚が自らの組織のモデルチェンジが本当にできると考えているのだろうか。

 「100%無理」
としたら、次にどんな手段をとるべきであろうか。



レコードチャイナ 配信日時:2013年1月1日 13時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=68047&type=0

理不尽な反日は諸刃の剣=財産の不当な破壊は人類に対する罪だ―中国

 2012年12月30日、中国のブロガーが「諸刃の剣となる抗日」と題した記事をブログに掲載し、盲目的なボイコットは中国のためにならないと指摘した。
 以下はその要約。

 数カ月前、日本政府や一部の右翼による釣魚島(尖閣諸島)への態度が、多くの中国人の怒りを呼び、多数の都市で日本製品のボイコット運動が行われた。
 一部の地域では、日本車を壊したり、燃やしたりといった行為まで起こっている。
 中日関係は「相手の中に自分がおり、自分の中に相手がいる」という関係だ。
 中国で製造されたホンダ車には、中国製の部品が多数使用されており、組立や販売、メンテナンスなどには多くの中国人の労働が凝縮されている。

 中国人が日本製品を排斥するのも、日本人が中国製品を排斥したり撤退するのは、すべて自分に返ってくる報復であり、自分に害をもたらし、相手を利する以外のことにはならない。
 製品を中国のメーカーに売ったり、中国で生産をするメーカーは、皆中国に友好的な日本人なのだ。

 もっと言えば、いかなる財産も一度生み出された以上は人類の財産であり、どこの国で作られたかは問題ではない。
 人類の財産を理不尽に損なうことは、人類に対する罪だ。
 日本製品ボイコットの影響はそれだけではない。
 世界、とりわけ日本に対して、
 「中国の投資環境は不安定で、法的安全に問題がある」というメッセージを送ってしまった

のだ。

 日系企業撤退の流れが起こる理由は複雑で、単純にボイコットによるものだとすることはできない。
 わが国の人件費が年々高くなっているというのも大きな要因だ。
 中日関係が悪化する以前から、日本企業は中国の労働力、資源、市場への依存から抜けだそうとしていた。
 ボイコットは、「脱中国化」のプロセスを早めたにすぎない。


 「中国企業を守ることができるのだから、日本企業の撤退はいいことだ」
と言う人もいるかもしれない。
 だが、国内外の経験からみれば、市場での競争によって中国の産業の競争力は高まったのだ、単なる保護だけでは、遅れを取ることにしかならない。
 中国の強国としての地位は、貿易の保護ではなく、競争によってしか実現できないのだ。
 また、米国資本にせよ日本資本にせよ、外資が中国に入るということは事実上わが国の企業になるということだ。
 外資に法的安全や国民としての待遇を与えることは当然のことだ。
 そうでなければ、中国は大国となることはできないし、大国としての風格を備えることもできないだろう。




【中国の外交文書:“尖閣は琉球の一部”】


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